くまてつ@日本語教師です。
みんなの日本語第2課も引き続き名詞文を勉強します。
第1課で勉強した名詞文「わたしはマイク・ミラーです」は主題(主語)も述語も人物に関係する名詞でしたが、第2課ではモノに関係する名詞を使う方法を勉強します。
第1課と第2課で勉強する名詞文は「主語(主題)=述語」の関係が成り立つ文です。
つまり「わたし=マイク」という関係を示しているわけです。
では第2課で勉強する内容を詳しく説明していきます。
場所を示す「これ・それ・あれ」「このN・そのN・あのN」の使い方
日本語では距離感を示すことばは3種類、中国語では2種類。
「こそあど」という便利なことばがあります。
この「こそあど」といいう言葉さえ覚えておけば、日本語の指示代名詞を間違えずに使えます。
でも日本語では「こそあ」という3種類の距離感があるのに対して、中国語では2種類しかありません。表にまとめていますので確認してください。
日本語 | 中国語 |
---|---|
これ | 这个 |
それ | 那个 |
あれ | 那个 |
では「これ」「それ」「あれ」の距離感はどういうことかと言いますと、
日本語 | 中国語 | 距離感 |
---|---|---|
これ | 这个 | 話し手の手元 |
それ | 那个 | 聞き手の手元 |
あれ | 那个 | 2人から遠い |
このようになります。
ですから自分が持っているものや、自分の近くにあるものをさして言うときに「この」という言葉を使います。そして相手側にあるものを言う場合には「その」という言葉を使うわけです。
中国語では自分の側にないものを言う場合にはすべて「那个」を使いますから違いますね。
名詞につないで距離感を示す場合
「この」「その」「あの」を使えば直接名詞を修飾できます。
日本語(例) | 中国語(例) |
---|---|
この+N(この本) | 这+量词+N(这本书) |
その+N(その本) | 那+量词+N(那本书) |
あの+N(あの本) | 那+量词+N(那本书) |
日本語の場合「この・その・あの」に続けて名詞を言うことができます。また名詞が本だろうがペンだろうが猫だろうが人だろうがすべて「この・その・あの」を使えます。
しかし中国語の場合、名詞の種類に応じて正しい数量詞を選ぶ必要があります。そこが違いますね。
でも中国人も口語では「这个・那个」をどんな名詞でも使うこともありますので、それほど厳格なルールではないとも言えます。
主語や述語に「もの」がくる名詞文
名詞文とは述語が名詞にて構成されている文のこと
みんなの日本語第1課では次のような文を勉強しました。
わたしはアメリカ人です。
彼もアメリカ人です。
佐藤さんは日本人ですか。
共通するのは、主語(主題)も述語も固有名詞もしくは人を示すことばであるということです。
この文型はモノでも同様に使えます。
当たり前のように思えますが、人の場合でもモノを指す場合でも、単数でも複数でも変わらず同じ文型であり、中国語と同じであると伝えるとわかりやすいと思います。
第2課の例文は次の通りです。
この本はわたしのです。
それはミラーさんの本ですか
あれはだれのかばんですか
ミラーさんのです
当然ですが、第1課の例文も第2課の例文も同じ文法が使われています。
そして主語(主題)と述語は同じであるということを説明している文で「主語(主題)= 述語」の関係が成り立っています。
わたし = アメリカ人
これ = 辞書
それ = ミラーさんの本
助詞の「の」の使い方
後ろの名詞を説明するための「の」
中国人にとって、助詞の「の」の使い方は難しくありません。
第2課で学ぶ日本語の「の」は中国語の「的」と同じ用法です。
SONY的电脑日本の歴史
日本的历史
このように同じように使えますので、説明しなくてもいいほどです。
中国の街角でなぜか「の」を使う広告や看板をよく見ます。日本人が英語の「of」を使うのとにているのでしょうかね。
所有もしくは所属されている「もの」を省略するための「の」
またこの「の」を使って後半の名詞を省略することもあります。
例えば、
この場合「SONY の 」の後にコンピューターという言葉が入るのですが、主語(主題)部分でコンピューターという言葉をすでに使っていますから後半部分ではくどくならないように省略しているわけです。
むしろ省略しないと変な日本語になります。
正)このコンピューターはSONYのです。
これも中国人にとっては非常にわかりやすい表現です。
中国語でも「的」を使って後ろの名詞を省略します。
这个电脑是SONY的。(このコンピューターはSONYのです)
日本語と中国語の文法は全く違っているという人もいますが、こうやって比較してみると結構似ているところもあります。
おもしろいですね。
では詳しい文法の説明は「教案」をご覧ください。
くまてつでした。